あなたはどのタイプ?症状別5つの便秘対策
あなたはどのタイプ?症状別5つの便秘対策
お腹がはって不快な症状が続くと、憂鬱になりますよね。便秘は毎日の食生活の影響をうけます。普段の生活スタイルを見直しながら、不快症状の特徴と照らし合わせて、便秘対策に取り組んでみませんか? スッキリお腹で、一日をスタートさせましょう。
便秘の種類
直腸性便秘
直腸に便が到達してもあまり便意を感じず、直腸に便がたまってしまう便秘です。腹筋力が弱っていることが多いため、腹筋運動などの筋力をつける運動を行い、排便反射の機能を調整していきましょう。また、便意を感じたら我慢しないことも大切です。
〈なりやすい人〉
排便を我慢する・便秘薬の慢性的利用・寝たきりや高齢者・不規則な生活リズムなど
弛緩性便秘
便を押し出す力が足りず、大腸のぜん動運動が低下しておこる便秘です。大腸に便が長くとどまるため、便から水分が奪われて固くなります。 運動不足や腹筋力の低下・水分や食物繊維不足・ダイエットなどに起因し、お腹の張り・残便感・肌あれ・食欲の低下などの不快症状があります。適度な運動と不足した栄養素(特に不溶性食物繊維)を積極的に食べるように心掛けてみてください。
〈なりやすい人〉
運動不足や腹筋力の低下・食事量が少ない・出産した女性・筋力の弱い高齢者など
けいれん性便秘
大腸が過剰に緊張してしまい、便がうまく運ばれずコロコロした便になったり、残便感や下部腹痛を伴ったりします。自律神経のバランスを崩して、便秘と下痢をくり返すこともあります。主に精神的なストレスが原因で生じるため、リラックスしてココロを落ち着かせる時間を確保し、オンとオフの切り替えで自律神経を整えるなど、生活習慣を見なおしてみましょう。
〈なりやすい人〉
ストレス・疲労・精神の緊張など
便秘解消の対策5つ
1.食生活の見直し(特に直腸性便秘・弛緩性便秘・けいれん性便秘)
過度なダイエットで食事量を減らすと、便のかさが減ってしまいます。活動量に見合った食事量をしっかり噛んでとるようにしましょう。また、食物繊維が多い食材や乳酸菌を多く含む発酵食品を積極的に食べて、腸内環境を整えることも大切です。
■食物繊維について
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は水に溶けやすい性質があり、便を柔らかくする作用があります。腸内をゆっくり移動して、老廃物の排泄を促します。 不溶性食物繊維は水に溶けず、水分を吸収して膨れる性質があり、便のかさを増やして排便を促す働きがあります。便秘解消には、水溶性繊維:不溶性繊維を1:2で摂取することが理想と言われています。
<水溶性食物繊維の種類>
- ペクチン・・・・・・ 果物・いも類・野菜など
- グルコマンナン・・・ こんにゃくなど
- アルギン酸・・・・・ わかめ・昆布など海藻類
- β-グルカン・・・・・ オーツ麦・大麦など
<不溶性食物繊維の種類>
- セルロース・・・・・ りんご・大豆・穀類など
- へミセルロース・・・ 小麦ふすま・玄米など
- ペクチン・・・・・・ 果物・野菜など
- リグニン・・・・・・ ココア・ピーナッツなど
※ペクチンには、水溶性と不溶性の2つがあります。熟成するにつれて、不溶性から水溶性に変化します。
■乳酸菌について
乳酸菌には動物性由来のものと植物性由来のものがあります。どちらかに偏らず両方を摂取することで、腸内環境のバランスが整いやすく、便秘解消につながるとされています。なお、けいれん性便秘の場合は、香辛料や冷たいものなど腸に刺激を与えるものは避けましょう。
<動物性乳酸菌>
ヨーグルト・チーズ・生ハム・アンチョビなど 動物性乳酸菌は胃酸に弱く、腸に届くまでに分解されてしまう菌が多いですが、植物性乳酸菌のエサとなり、活性させる作用があると言われています。また、動物性乳酸菌は分解された後も腸を刺激して、整腸作用を高める働きがあると言われています
<植物性乳酸菌>
味噌・しょう油・納豆・漬けもの・甘酒・キムチ・ザーサイ・ザウアークラウト・テンぺなど 胃腸の中で生存しやすく、生きたまま大腸に届きやすい特徴があります。
2.適度な運動(特に直腸性便秘・弛緩性便秘)
ハードな運動ではなく、筋力を維持することを目的としたゆっくり行える運動を行いましょう。全身を動かすウォーキングやヨガなどの運動と、腸に刺激を与える腹筋運動が便秘解消に効果的です。
特に女性は筋力不足で腸のぜん動運動が弱まることがあるため、腹筋と背筋のトレーニングを心掛けてみてください。リラックスしながら行えるペースで取り組み、副交感神経の働きを高めて、排便を促しましょう。
3.生活習慣を整える(特に直腸性便秘・けいれん性便秘)
カラダのさまざまな機能は交感神経と副交感神経による自律神経によって調整されています。便意は副交感神経によりコントロールされているので、自律神経のバランスが崩れると、カラダに不調があらわれ、便秘もそのひとつの症状として引き起こします。
自律神経のバランスを整え、排便習慣を身につけるためには、毎日の起床時間と就寝時間を同じにし、食事の時間も決めて規則正しくとることが大切です。カラダに一定のリズムを覚えさせて、腸の動きを安定させ、朝にはトイレの時間を確保するようにしましょう。
4.便意を我慢しない(特に直腸性便秘・けいれん性便秘)
仕事や家事の都合でトイレに行く時間がとれなかったりすると、便意を我慢してしまいがちです。排便のリズムを整えるために、便秘対策に取り組む初めのうちは、便意を感じたら我慢しないようにしましょう。
「対策3」でお伝えしたように、生活習慣を整えて決まった時間に排便する習慣をカラダに覚えさせて、トイレを我慢する不安感を減らしていけると良いですね。
5.ストレス発散(特にけいれん性便秘)
趣味の時間や一人の時間を確保して、ココロにたまったわだかまりやストレスを解消する時間をもちましょう。ココロを落ち着かせて自律神経のバランスが整うと、規則正しい排便のリズムが戻りやすくなります。
便秘の不快症状に悩む方は多くいます。便秘と一言で言っても、症状はさまざま。症状に合わせた対策をとり、お腹スッキリを取り戻して下さい。