懐かしのゲーム紹介『松本亨の株式必勝学』ファミコン

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松本亨の株式必勝学

発売日 1988年2月18日 木曜日
価格(販売当時) 9,800円
メディアタイプ カートリッジ
データ容量 2M+64KRAM
メーカー イマジニア

有名人系ゲームの中でひときわ異彩を
放つシロモノがあります。その名も
『松本亨の株式必勝学』。

『松本亨』って誰?

そう思うのも無理はありません。
というか、そもそもファミコンの
メインユーザーだった当時の小学生だって
彼のことなど知らなかったはずです。
松本亨は、1980年代末に活躍していた
元日刊投資新聞社社長の経済評論家。
彼がフューチャーされた背景には、バブルと
いう時代があります。最盛期には日経平均株価が
1989年(平成元年)12月29日の大納会時で
史上最高値となる「38,957円44銭」を記録するという驚異的な好況だったこの時期。1985年ごろまで深刻な円高不況にさいなまれていたところから、まさかの好転を果たしたため、大人たちは
大いに浮かれていたのです。

アベノミクス黎明期の頃もそうでしたが
株価高騰のニュースが大々的に報じられると
素人投資家が増えるのは世の常。小遣いを
切り詰めて株式投資にチャレンジしようと
するサラリーマンにとって、分かりやすく
株価予想を示してくれる松本氏は、この上
なくありがたい存在だったのです。実際彼が著した株式売買の出版物は大いに売れていました。

「2年間で100万円を1億円以上にすること」

が目標のゲームだった

そんな時代の寵児・松本亨監修のもと、1988年2月18日にイマジニア株式会社より発売されたのが『松本亨の株式必勝学』です。内容としては、松本氏から弟子入りの条件として課せられた「2年間で100万円を1億円以上に増やすこと」を目指していくもの。そもそもゲームの中身が「弟子入り」を目的としている時点で、当時の松本氏がいかに影響力の大きい人物だったか分かるというものです。

それにしても、「2年間で100万円を1億円以上」とはかなりの難題です。『桃太郎電鉄』だとしても、結構頑張らなければ達成できない数値目標ではありませんか。しかし、そこはバブル。ゲームの中ではソニー、トヨタ、NTTなど有名企業100社が登場し、それらの株価は好景気の波に乗りうなぎ上り。しかも株だけではなく、不動産・中国ファンド・定額保険・定期預金などの金融商品も購入可能であり、多少のコツを掴めば、容易にキャッシュフロージャブジャブ状態になるのです。まぁ、現実の投資案件はゲームのように簡単にはいきませんが…。

HP(体力)・LP(生命力)がある

なおこのゲーム、単に株式などの金融商品を売り買いすればいいだけではありません。プレイヤーにはLE(レベル)・HP(体力)・LP(生命力)というバロメーターがあり、HP・LPの高まりに応じてレベルがUP⇒1日に取引できる回数が増えるなどのメリットが生じるようになっているのです。

HP・LPは時間経過と共に減っていき、両方がゼロになるとゲームオーバー。それを回避するために体力と生命力を付けるためのトレーニングジムの会費・スキーなどのレジャー代の出費という、いわば「自己投資」をしなければなりません。他、銀行・医者からの借金を弁済できない、証券会社から取引停止処分を受けるなどの状態になっても、ジ・エンド。ただし、松本氏の力添えで1回だけ復活できます。まだ正式な弟子にもなっていないのに、なんていい人なんでしょう!






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