ユニークな選手名や裏技で振り返る『初期のファミスタ』
「プロ野球ファミリースタジアム(通称:ファミスタ)」とは?
1986年12月10日にナムコが発売したファミコンソフト
「プロ野球ファミリースタジアム(通称:ファミスタ)」。
任天堂から発売された「ベースボール」しかファミコン用
の野球ゲームが無かった当時、わずか96KBという
ロムカセット容量でありながらチームや選手ごとに
打撃力の違いなどの個性が設定され、さらに守備を
プレイヤー自身が行える(「ベースボール」は自動守備だった)
といった操作性の高さから、新たな時代の野球ゲームとして
爆発的なヒットを記録しました。
翌1987年12月22日には、続編として
「プロ野球ファミリースタジアム’87」が発売。
以降、ファミコンでは「ファミスタ’94」まで毎年新作が
発売され、スーパーファミコンやゲームボーイなどでも
新作が続々と展開されていきました。PCエンジンから
発売された「プロ野球ワールドスタジアム(通称:ワースタ)」
なども記憶に新しいところかと思います。
そんなファミスタですが、2016年には30周年を
迎えシリーズ累計販売本数は1500万本を突破。
今年2021年には35周年を迎えました。
日本を代表する野球ゲームとなっているファミスタシリーズですが
その人気の高さから関連グッズの展開も積極的に行われています。
30周年を迎えた際には、懐かしのドット絵をあしらった
Tシャツが制作されたり、「初代ファミスタ」の
ファミコンカセットをイメージしたモバイルバッテリーが登場。
我々の生活の一部に、ファミスタグッズの数々が浸透しています。
今年迎える35周年においても、記念グッズが多数登場する予感!
秀逸なネーミングセンス!!初代から
1991年までの『ファミスタ』のチーム名や選手名!
初期のファミスタで特筆すべき点として、ユニークな
「チーム名」「選手名」があります。これらは基本的に
日本野球機構(NPB)のチーム名や、そこに在籍する
実在の選手名をもじった名称であり、例えば
読売ジャイアンツをモデルにした「ガイアンツ」
クロマティをモデルにした「くろまて」などがありました。
なお、これらの名称を使用していたのは1991年発売の
「ファミスタ’92」までであり、1992年からはNPBから
実名の使用許諾を得たため、以降は使用されなくなりました。
ここでは、初期のファミスタにおける各球団と
ここでは、初期のファミスタにおける各球団と
主な選手について振り返ってみましょう。
Gチーム(ガイアンツ)
読売ジャイアンツがモデルになっているとされる
「Gチーム(ガイアンツ)」。本塁打を30本以上打つ
強打者「くろまて(クロマティ)」の他、投手では
「くわわ(桑田真澄)」、内野手としては
「はたはた(中畑清)」といった、ひらがな
4文字制限の中でユニークな名前の選手が存在していました。
Cチーム(カーズ)
広島東洋カープがモデルになっているとされる
「Cチーム(カーズ)」。投手としては「きたへふ(北別府学)」
なぜか名字ではなく名前表記になっているミスター赤ヘル
「こうじ(山本浩二)」、その他内野手として
「こばや(小早川毅彦)」などがいました。なお本塁打数は
「こうじ」でも28本止まりであり一方で中距離打者が充実していました。
Dチーム(ドラサンズ)
中日ドラゴンズがモデルになっているとされる
「Dチーム(ドラサンズ)」。チームの特徴としては
高い投手力があり、押さえの切札として「うししま(牛島和彦)」
また4番には長打力に定評のある「げいり(ゲーリー)」
代打で「ふじお(藤王康晴)」といった選手がいました。
Sチーム(スパローズ)
ヤクルトスワローズがモデルになっているとされる
「Sチーム(スパローズ)」。外野手として「すきうら(杉浦亨)」
捕手として「やえかし(八重樫幸雄)」
代打として「ゆわした(岩下正明)」といった選手が
名を連ねていましたが、チーム防御率が低く
4番「れおん(レオン・リー)」が長打力を
有する程度で、特に強いチームという印象はありませんでした。
Wチーム(ホイールズ)
横浜大洋ホエールズがモデルになっているとされる
「Wチーム(ホイールズ)」。本塁打数は少ないものの
「ゆたか(高木豊)」をはじめとした俊足のバッターが
揃っており、内野手の「ろうまん(ローマン)」
代打の「よしかす(高木由一)」といった選手が脇を固めていました。
Tチーム(タイタンズ)
阪神タイガースがモデルになっているとされる
「Tチーム(タイタンズ)」。強力打線が売りであり
本塁打50本の「ばあす(バース)」をはじめとした
打者が揃っていました。その他、代打として
「かしわは(柏原純一)」「なかさき(長崎啓二)」といった選手も。
西武ライオンズがモデルになっているとされる
「Lチーム(ライオネルズ)」。先発のエースとして
「わたなへ(渡辺久信)」「ひかしお(東尾修)」がおり
さらに抑えの切り札として「かく(郭泰源)」が
160キロ級の速球を投げるなど、高い投手力に定評がありました。
Rチーム(レイルウェイズ)
近鉄バファローズ・南海ホークス・阪急ブレーブス
の3チームがモデルとされる、関西の鉄道連合チーム
「Rチーム(レールウェイズ)」。外国人助っ人
「でひす(デービス)」「ぶうま(ブーマー)」を
はじめ本塁打の多い打者が揃っており、打線の得点力の
高さに定評がありました。「かどた(門田博光)」をはじめ
代打も強力という特徴も。
Fチーム(フーズフーズ)
日本ハムファイターズ・ロッテオリオンズの
2チームがモデルとされている、関東の食品会社連合チーム
「Fチーム(フーズフーズ)」。本塁打50本の
「おちあい(落合博満)」率いる強力打線に
「ぱとな(パットナム)」ら本塁打20本以上の選手が名を連ね
「けんいち(佐藤健一)」ら代打陣がそれを
サポートする体制を取っていました。
Nチーム(ナムコスターズ)
ナムコのゲームをモチーフにしたオリジナルチームである
「Nチーム(ナムコスターズ)」。「せひうす(ゼビウス)」
「ぱつく(パックマン)」そして「ポールポジション」の
略称“P.P”(ピーピー)が由来の「ぴぴ」といった選手がいました。
なお、ナムコのチームだからといって強いチームというわけではなく、
投手力、打撃力などはいずれも並といったところです。
ぱつく(パックマン)
覚えてる!?ファミスタの『裏技』!!
80年代のファミコンソフトには当たり前のようにあった「裏技」
それはファミスタも例外ではありませんでした。例えば
「初代ファミスタ」では、ナムコスターズを選んで
パスワードに「1198」と入力した上で全ての試合に勝利し
胴上げ画面になったときにタイトル画面に戻ると
「隠しメッセージ」が表示されるという裏技が存在しました。
1987年に発売された2代目「ファミスタ’87」に
おいても裏技は散見され、コンピューターとの対戦時に
パスワードで「CC70」と入力するとナムコスターズ同士で
対戦が出来たり、同じくコンピューター対戦時に
「コンピューターはボールをキャッチしなければ止まることなく走り続ける」
という特性を利用し、走者がベースに着く前にボールを
キャッチして投げることで「必ずアウトに出来る」
といったテクニックも存在しました。