懐かしのゲーム紹介『ゼルダの伝説』ディスクシステム
ゼルダの伝説
『ゼルダの伝説』は1986年2月21日に任天堂よりファミリーコンピュータ
ディスクシステム用ソフトとして発売されたアクションロールプレイングゲーム。
世界中に愛される『ゼルダの伝説シリーズ』の記念すべき第1作目。
2019年現在までに21作品が発売され、全世界での累計販売本数は8,000万本を超えるビッグタイトルである。
ゼルダの伝説とは
昭和61年、ファミコンカセットのROM容量の頭打ちと、価格高騰を
問題視していた任天堂が、その問題を解決する為に開発されたディスクシステム。
そのローンチタイトルとして、本体と同時発売されたのが本作である。
任天堂はよほどの自信があったのだろう、ローンチタイトルはこの『ゼルダの伝説』1本であり
あとは元々ファミコンカセットにあるタイトルの移植が数本あるだけであった。
今までにない謎解きとアクションの融合にゲームファンは魅了され大ヒットとなった。
販売本数は169万本であり、これはディスクシステム用ソフト198本中3位の快挙である。
ファミコンソフト 全1,252本の中でも13位と絶対的なハードユーザー数の差から
販売本数ではファミコンROMカセットに比べて不利なはずのディスクシステム用ソフトとしては素晴らしい実績を残した。
のちにほとんどの任天堂ハードのキラータイトルとして新作が用意される伝説のシリーズとなった『ゼルダの伝説』。
昭和から平成、その平成も最後となる平成31年現在、『ゼルダの伝説』は(リメイクを除き)
21位作品が発売され、全世界での累計販売本数は8,000万本を超えるまさに“ゲーム界の伝説”といえるタイトルになった。
発売までの経緯
本作の開発者である宮本茂氏は当時パソコンで流行り始めていたRPGの魅力だった
“自分の分身がだんだん強くなっていく”という要素を“アクションで体感しながら謎を解いてゆく”アドベンチャーとして作ろうと考えた。
そのため任天堂は、初代『ゼルダの伝説』から一貫して本シリーズはアクションアドベンチャー(AADV)と呼んでいた。
その後RPGが本格的なブームになりアクションロールプレイング(ARPG)というジャンルも確立され
周りが「ゼルダもRPGなのでは?」と聞くので面倒臭くなって『時のオカリナ』以降くらいから自分でもARPGと呼んでいると宮本茂氏は語っている。
時代が“宮本茂”に追いついたとでも言うべきか(笑)。
セーブ機能
ディスクシステムのローンチタイトルとして発売された本作の特色として代表的なことは
パスワードなどを入力しなくてもゲームの続きをプレイできる“セーブ機能”であろう。
それまでのゲームは『ドラクエ』などに代表される“パスワード機能”によって
ストーリーの中断した場面からゲームを再開するのが常識だった。
いちいちパスワードをメモするのが面倒であり、時に書き写し間違えにより続
きができなくなるという悲劇も起こり非常に煩わしい作業であった。
ディスクシステムで登場したセーブ機能によりその作業から解放されることになったのだ。
サウンド拡張機能
拡張されたゲーム音源も特筆すべき点である。
ファミコン本体では限られた音色しか出せなかったが、ディスクシステムの機能により
拡張された音源を利用できるようになり、美麗なサウンドにプレイヤーは感動を覚えた。
その繊細な音源により奏でられる本作のBGMは名曲揃いなのもあり、今でも耳に残っているプレイヤーも多い。
特にタイトル画面で流れるオープニング曲、『ゼルダの伝説』を代表する地上のテーマ
そして謎解きの“ベル音”や謎を解いた時に流れる“ファンファーレ”などは現代においても知らないゲーマーは居ないのではなかろうか。
ストーリー
ハイラル地方にある小王国で、旅を続けていた少年リンクは魔物に襲われていた老婆を助け出した。
老婆の正体はこの小王国の姫の乳母、インパであった。
彼女の話によると、大魔王ガノンの軍勢がこの小王国に攻め込み、力のトライフォースを奪い取った。
これに対し小王国の王女であるゼルダ姫は、捕まる直前に知恵のトライフォースを8つに分け、各地に隠したという。
それを聞いたリンクは、8つに分けられた知恵のトライフォースの探索と大魔王ガノンの打倒、そして姫の救出を決意する。
探索と謎解き、極限までに自由な“世界”
『ゼルダの伝説シリーズ』は処女作である本作から、最新作である『BREATH OF THE WILD』まで
一貫して“どこまでも追求できる探索”という要素と“不思議なアイテムと知恵を組み合わせて挑む謎解き”
というテーマにとことん拘り抜き制作されている。
その結果プレイヤーは主人公であるリンクになりきり
この極限までに自由な世界に没頭し、思う存分冒険を堪能することができる。
ディスクシステムにて最初の『ゼルダの伝説』が発売された時、それまで『スーパーマリオブラザーズ』などの
ように用意された一方通行のステージを進むというゲームしか経験のないファミっ子たちは
突然広大な世界に放り出されるという未知のゲーム体験に何をすればいいか解らず戸惑った。
しかし友達同士で情報を交換したり、「ファミマガ」などで小出しにされる記事を読み漁りながら
少しずつRPGというものを理解していき、気がついた時はその
“自分で考えて謎を解きながら強くなる”というシステムの面白さの虜となっていた。
子供達の遊びに対する順応力も素晴らしいが、宮本茂氏が
途中で投げ出さずプレイできるようにするため、様々な工夫を施したのもゲームの成功の要因である。
例えばリンクは開発当初は最初から剣を持った状態でゲームスタートしていたが
敢えて何も持っていない状態でのスタートに変更した。
そしてMAPスタート位置すぐ上の洞穴に入ると、老人に剣を授けてもらえるという
体験をさせることによって“自分で考えて行動する”という感覚を身につけて貰うようにするなどした。
一度このゲームの“遊び方”を覚えたファミっ子たちは、かつて無い広く自由な世界を
その無限に湧き出る想像力によって縦横無尽に遊び尽くした。
ディスクライター書き換え回数第3位
本作はデイスクライター書き換え回数第3位である。
ちなみに第2位は『バレーボール』、第1位は『スーパーマリオブラザーズ2』となっている。
ゲームメーカー同士のリスペクト
初代『ファイナルファンタジー』 のエルフの村には“リンクの墓”が存在する。
ちなみにリンクは公式でエルフとされている訳ではないが、耳が尖っている容姿はエルフを想像させる。
そして本作の続編である『リンクの冒険』には『ドラクエシリーズ』の“ロトの墓”が登場する。
このようにライバル会社ではあるが、お互いの作品をリスペクトす
る遊び心は見ていて楽しくゲームファンをほっこりとさせる。
でもなぜお墓ばかりなのかは解らない(笑)。