~ファミコン年表~ 1983-1994 HISTORY OF FAMILY COMPUTER
~ファミコン年表~ 1983-1994 HISTORY OF FAMILY COMPUTER
「ファミリーコンピュータ」発売。同時発売タイトルは、アーケードゲームとして稼働していた
『ドンキーコング』、『ドンキーコングJR.』、『ポパイ』の3タイトル。家でゲームセンターと同じようなゲームが遊べる
しかもカセットを入れ換えるだけで別のゲームも遊べる、というのが大きな特徴だった。
9月には『マリオブラザーズ』が発売され、この年は計9タイトルが発売された。
その他のゲーム機:ATARI2800(アタリ社)、マイビジョン(日本物産社)、SG-1000(セガ社)
1983年の主な出来事
- 青木功選手が日本男子ゴルフ初の米ツアー優勝
- 東京ディズニーランド開業
- カシオ計算機社「G-SHOCK」発売
- KKコンビの活躍でPL学園が夏の甲子園優勝
- バンダイ社「キン肉マン消しゴム(通称キン消し)」発売
- 大塚製薬社「カロリーメイト」発売
発売された主なハードソフト
・光線銃シリーズガン
・ファミリーベーシック
・ファミリーベーシック専用データレコーダー
アーケードゲームやパソコンゲームなどで数々のゲームを手掛けていたナムコ(※1)社
ハドソン(※2)社などといったメーカーがファミコンに参入。ROMカセットはメーカーのロゴが入っていたり
形状が少し異なっていたりとメーカーによってデザインに違いがあった。
12月にコンピュータゲーム総合情報誌「Beep」創刊。パソコン雑誌の「コンプティーク」や「ログイン」などでも
ファミコン情報を取り扱うコーナーが登場。1985年にはファミコンのゲームを取り扱う初の専門誌「ファミリーコンピュータMagazine」創刊。
その後、「マル勝ファミコン」、「ファミコン通信」といったファミコン専門誌の創刊ラッシュが訪れ
「ファミリーコンピュータMagazine」の最盛期の発行部数は100万部を突破した。ファミコン雑誌ではゲームの“裏技”が特集され
雑誌によって“ウルテク”、“奥義”、“秘技”などといった用語も生まれた。
- その他のゲーム機:スーパーカセットビジョン(エポック社)
1984年の主な出来事
- アップルコンピュータ社「Macintosh」発売
- 新札3種発行(10000円札・福沢諭吉、5000円札・新渡戸稲造、1000円札・夏目漱石)
- エリマキトカゲが話題に
- 日本の動物園でコアラが初お披露目
- ソニー社「ポータブルCDプレーヤー」発売
- 『ドラゴンボール』、「週刊少年ジャンプ」で連載開始
- 湖池屋社「カラムーチョ」発売
発売された主なハードソフト
・ファミリーベーシックV3
・ファミリーコンピュータロボット
海外版ファミコン「ニンテンドー・エンターテインメント・システム(NES)」発売。海外メーカーが開発した日本未発売のソフトも登場した。
アイレム社、KONAMI社、エニックス(※3)社などが参入。
ハドソン社が全国をまわるゲーム大会“全国キャラバン大会”の第一回を開催。この全国ゲームキャラバンなどを通して
ハドソン社の社員であった高橋利幸氏が“高橋名人”として一躍有名となる。その後、“橋本名人”や“毛利名人”など、“ファミコン名人”が誕生した。
「月刊コロコロコミック」でマンガ『ファミコンロッキー』が連載開始。「週刊少年ジャンプ」には
『ファミコン神拳』のコーナーが登場するなど、さまざまなメディアでファミコンが扱われるように。
- その他のゲーム機:セガ・マークIII(セガ社)、ゲームポケットコンピュータ(エポック社)
1985年の主な出来事
- 国際科学技術博覧会“科学万博ーつくば’85”開催
- NTT社(日本電信電話株式会社)誕生
- チャリティー企画ソング『We Are The World』リリース
- ロッテ社「ビックリマンチョコ」“天使vs悪魔”シリーズ発売
- 阪神タイガースが21年ぶりのリーグ優勝、そして初の日本一に
- アニメ『タッチ』放送開始
- エポック社「シルバニアファミリー」発売
発売された主なハードソフト
・ファミリーコンピュータディスクシステム
・ツインファミコン
大容量とセーブ機能、ソフトの書き換えが特徴の周辺機器「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」発売。
デパートや玩具店、ゲームショップの店内にはディスクカードが書き換えられる「ディスクライター」が設置された。
この年にはファミコンカセットが86タイトル、ディスクカードが34タイトル発売され、年間発売タイトルが初めて100タイトルを超えた。
高橋名人と毛利名人の『スターソルジャー』での対決を描いた映画『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』が公開されるなど、
“ファミコン名人”が各メディアで活躍。高橋名人は歌手デビューし、冠番組『高橋名人の面白ランド』でテレビにも出演。
5月に放送スタートしたゲームを取り扱ったバラエティ番組『ファミっ子大作戦』とその後継番組『ファミっ子大集合』では
ファミコン名人たちが出演するコーナーもあった。
1986年の主な出来事
- ハレー彗星が76年ぶりに接近
- 5月4日が国民の休日に
- 『ちびまる子ちゃん』、「りぼん」で連載開始
- 富士写真フイルム社がレンズ付きフィルム「写ルンです」発売
- カネボウベルフーズ社「ねるねるねるね」発売
- サントリー社「はちみつレモン」発売
発売された主なハードソフト
・ファミリーコンピュータ3Dシステム
ファミコン本体の販売台数が国内で1000万台を突破。『ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々』や『ファイナルファンタジー』
『デジタル・デビル物語 女神転生』などRPGが30タイトル近く発売され、ひとつのジャンルとして定着していった。
また、『リンクの冒険』や、『プロ野球 ファミリースタジアム 87年度版!』などの続編が登場。シリーズ化されるタイトルも生まれた。
ゲーム売り場などに「ディスクファックス」が設置され、『ゴルフ JAPANコース』と『ゴルフ USコース』の公式大会が開催された。
『ゴルフ JAPANコース』の賞品は非売品のゴールデンディスクカード、『ゴルフ USコース』の賞品はゴールド仕様の『パンチアウト!!』。
同様に、大会の各地区のチャンピオンに贈られた『キン肉マン マッスルタッグマッチ』の“ゴールデンタッグカートリッジ”など
大会の賞品、懸賞用などで作られた、非売品のROMカセットやディスクカードも複数存在する。
- その他のゲーム機:マスターシステム(セガ社)、
PCエンジン(NECホームエレクトロニクス社)
1987年の主な出来事
- 安田火災海上保険社がゴッホの『ひまわり』を53億円で落札
- 中嶋悟選手が日本人初のF1フルタイム参戦
- 国鉄(日本国有鉄道公社)が分割・民営化されJR7社発足
- NTT社が携帯電話サービス開始
- 利根川進氏がノーベル医学・生理学賞受賞
- 『サラダ記念日』、『ノルウェイの森』発売
発売された主なハードソフト
・ファミリーコンピュータ通信アダプタセット
「わんぱくこぞう」、「カメレオンクラブ」などのテレビゲームを専門に扱うチェーン店が店舗数を増やしていったこの年
年間発売タイトル数がピークとなった。そんななか発売された『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…』は
発売日に各地のゲームショップで行列ができ、ニュースで報じられるほどの社会現象になった。
また、このころからRPGやシミュレーション、アドベンチャーなどに搭載されたコンティニュー機能が
パスワード入力からバッテリーバックアップを使用したセーブに変更。セーブ時は電気的なノイズでセーブデータが破損するのを防ぐために
リセットボタンを押しながらファミコン本体の電源を切る必要があった。
ディスクシステムの書き換え専用ソフト『帰ってきたマリオブラザーズ』には、ゲーム内広告という新たな形の広告が導入され
書き換え料金が通常よりも安価だった。ファミコン本体に電話回線を繋ぎ、株取引や銀行取引、馬券の購入ができる
「ファミリーコンピュータ 通信アダプタセット」(対応の通信カートリッジが必要)が発売されるなど、ファミコンがゲーム以外の用途でも活用された。
- その他のゲーム機:メガドライブ(セガ社)
1988年の主な出来事
- 日本初の全天候型多目的スタジアム、東京ドーム開場
- 青函トンネルと瀬戸大橋開通
- ダイエー社が南海ホークスを、オリエント・リース社が阪急ブレーブスを買収
- ミニ四駆の全国大会“ジャパンカップ”初開催
- 東北新幹線・上越新幹線開業
- 大塚製薬社「ファイブミニ」発売
糸井重里氏が手掛けた『MOTHER』を始め、異業種の著名人が制作に関わったゲームや
『週刊少年ジャンプ』のマンガ作品のキャラクターたちがクロスオーバー出演する『ファミコンジャンプ 英雄列伝』などが発売。
10月から『桃太郎伝説』、11月から『ドラゴンクエスト』と、ゲームを原作とするテレビアニメも放送された。
場所を選ばず遊べる携帯型ゲーム機のゲームボーイ発売。同時発売タイトルは
『アレイウェイ』、『スーパーマリオランド』、『ベースボール』、『役満』の4タイトル。
『テトリス』では本体どうしを通信ケーブルでつないで対戦することもできた。
- その他のゲーム機:ゲームボーイ、Atari Lynx(アタリコープ社)
1989年の主な出来事
- 元号が昭和から平成に
- 税率3%で日本で初めての消費税導入
- 横浜ベイブリッジ開通
- 大型総合コンベンション施設・幕張メッセ開業
- ドイツでベルリンの壁崩壊
- 日経平均株価が史上最高値の3万8957円44銭を記録
- 『きんぎょ注意報!』、「なかよし」で連載開始
- サントリー社「鉄骨飲料」発売
ファミコンの後継機「スーパーファミコン」発売。同時発売タイトルは『スーパーマリオワールド』、『F-ZERO』の2タイトル。
その一方でファミコンには『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』、『ファイナルファンタジーIII』、『ドクターマリオ』などのミリオンセラーも多数登場した。
10月には、ゲームを題材にしたバラエティ番組『スーパーマリオクラブ』の放送がスタート。
その後、『スーパーマリオスタジアム』、『64マリオスタジアム』、『マリオスクール』と番組名を変えながら2001年まで続いた。
ヒューマン社が“ヒューマンクリエイティブスクール”を開設し、“任天堂・電通ゲームセミナー”などのセミナーも開催。
翌1991年にはハドソン(※2)社が“ハドソンコンピュータデザイナーズスクール”をスタートさせるなど、ゲーム開発へ携わる道が増えていく。
- その他のゲーム機:スーパーファミコン、ネオジオ(SNK社)、ゲームギア(セガ社)
1990年の主な出来事
- 第1回大学入試センター試験実施
- 大阪にて国際花と緑の博覧会開催
- 秋山豊寛氏が日本人として初めて宇宙に
- サンリオピューロランド開業
- 競走馬オグリキャップ 有馬記念で優勝し引退
- 『SLAM DUNK』、「週刊少年ジャンプ」で連載開始
- アニメ『ふしぎの海のナディア』放送開始
スーパーファミコンで『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』や『ファイナルファンタジーIV』などが発売。
各社の主力タイトルが次第にスーパーファミコンでリリースされていく。ファミコンでは
『ベスト競馬 ダービースタリオン』や『いただきストリート 私のお店によってって』など、その後シリーズ化されるタイトルも誕生。
ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイの新作ソフト展示会“ファミコン・スペースワールド”が千葉県幕張メッセで開催。
その後、恒例イベントとして2001年まで続いた(1998年を除く)。
金のマリオ像が目印のファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイのフランチャイズショップ“任天堂エンターテイメント”の1号店が京都にオープン。
1991年の主な出来事
- 成田エクスプレス運行開始
- NTT社が超小型携帯mova(ムーバ)のサービス開始
- 新東京都庁舎開庁
- 南アフリカがアパルトヘイト撤廃
- マツダ社がル・マン24時間レースで総合優勝
- カルピス食品工業社「カルピスウォーター」発売
- 若貴ブーム&横綱・千代の富士関引退
スーパーファミコンで『ストリートファイターII』や『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』が発売。
世代交代が加速するなか、ファミコンはディスクシステムの店頭での書き換えが終了し、徐々にその役割を終えていく。
このころエポック社の「バーコードバトラー」を筆頭に、バーコードを読み取って遊ぶ玩具が登場。
1992年にはサンソフト社からファミコンと連動する『バーコードワールド』、バンダイ社からは周辺機器「データック」が発売された。
1993年にはAV仕様のファミリーコンピュータ(通称「NEW ファミコン」)が発売され、『星のカービィ 夢の泉の物語』はミリオンヒットを達成。
マリオを主人公にした実写の映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』の公開も1993年。
ファミコン向けに発売される新作ソフトは徐々に減り、1994年にハドソン社から発売された『高橋名人の冒険島IV』が最後のファミコンソフトとなった。
本体の生産、および任天堂社内でのディスクカードの書き換えは、ファミコン発売から20年が経った2003年まで続いた。
- その他のゲーム機:3DO REAL(松下電器産業社)、セガサターン(セガ社)
- プレイステーション(ソニー・コンピュータエンタテインメント社)、PCーFX(NECホームエレクトロニクス社)
1992年の主な出来事
- 東海道新幹線にて“のぞみ”運行開始
- 長崎にてハウステンボス開業
- 甲子園で松井秀喜選手が5打席連続敬遠
- 公立の小中学校、高等学校にて第2土曜が休日になる週5日制スタート
- ソニー社MDウォークマン発売
- 『美少女戦士セーラームーン』、「なかよし」で連載、アニメ放送開始
1993年の主な出来事
- 国内初のプロサッカーリーグとしてJリーグ開幕
- 法隆寺地域の仏教建造物、姫路城、白神山地、屋久島が日本初の世界遺産に認定
- レインボーブリッジ開通
- サッカー日本代表“ドーハの悲劇”
- 『行け!稲中卓球部』、「週刊ヤングマガジン」で連載開始
1994年の主な出来事
- 日本初の純国産ロケット“HーⅡ ロケット”の打ち上げ成功
- オリックスのイチロー選手が日本球界初のシーズン200本安打達成
- 大江健三郎氏がノーベル文学賞受賞
- 『名探偵コナン』、「週刊少年サンデー」で連載開始
- 森永製菓社「ウイダーinゼリー」発売