「堀井雄二氏」が手掛けた名作ミステリーゲーム三部作とは?
ドラゴンクエストシリーズのシナリオライター
としておなじみの堀井雄二氏。彼がドラクエに着手する前に
手掛けたゲームには
としておなじみの堀井雄二氏。彼がドラクエに着手する前に
手掛けたゲームには
『ポートピア連続殺人事件』
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』
『軽井沢誘拐案内』
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』
『軽井沢誘拐案内』
というタイトルがあり、これらは「堀井ミステリー三部作」と呼ばれ
その完成度の高さから後のゲーム業界に多大なる影響を及ぼしました。
その完成度の高さから後のゲーム業界に多大なる影響を及ぼしました。
中学時代から漫画家志望で、高校・大学は漫画研究会に所属し
フリーライター時代は漫画家・小池一夫の劇画村塾に入門するなど
絶えずストーリーテーリーングの腕を磨いてきた堀井。その才能は
この『ポートピア連続殺人事件』によってはじめて世に解き放たれたのでした。
もともとはパソコン用ソフトとして人気を博していた同作の
ファミコン版が発売されたのは、1985年11月29日のこと。
PC版がキーボードによるコマンド打ち込み式の
アドベンチャーゲームだったこともあって
「ファミコンに移植したら、面白さが損なわれるのではないか?」
と不安がるオールドファンも多数いましたが、結果として
ファミコン版ポートピアは新規のファンを取り込んで、60万本の大ヒットを記録。
同タイトルの開発を担当したのは、ゲーム会社の『チュンソフト』
同タイトルの開発を担当したのは、ゲーム会社の『チュンソフト』
容量でPCに劣るファミコンへの移植にあたって、ゲームの魅力が
損なわれぬよう最大限の努力をしたその仕事ぶりは、堀井氏にも
エニックスにも高く評価され、1986年からはじまった
『ドラゴンクエストシリーズ』にも、同社はかかわっていくこととなります。
さて、この『ポートピア連続殺人事件』最大の魅力といえば
何と言っても、秀逸なシナリオ。登場人物たちの思惑が
複雑に絡み合い、意外性のある結末へと収斂していく展開力は
まさに堀井マジック。ファミコン版の容量不足がために
セリフが短くなっていたり、画面が多少粗くなっていたりもしましたが
それら些末な諸問題など吹き飛んでしまうほどに、物語世界へ
引き込む圧倒的訴求力を有していました。間違いなく、こんにちの
サスペンスゲームの基礎をつくった歴史的名作といえるでしょう。
北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
東京都中央区晴海ふ頭で発見された死体の謎を追い
プレイヤーは前作同様刑事となって部下を引き連れて北海道へ。
網走刑務所、すすきの、知床五湖、阿寒湖温泉などの名所を
まわって手がかりを集めるも、その間に第二、第三の殺人が
起こってしまう…というのがストーリーの大枠です。
北の大地を舞台にして、堀井のシナリオはますます
冴えを見せます。登場人物一人ひとりのバックボーン・心の機微を
繊細に描き込んだ人物描写の巧みさと、プレイヤーの推理力・洞察力を
極限まで引き出すような謎が謎を呼ぶ展開は圧巻の一言です。
今でこそ、有能なシナリオライターを擁して
ハリウッド映画さながらの優れたプロットを展開している
タイトルは珍しくありませんが、当時のゲームといえば
シナリオなどは二の次で、ゲーム性や操作性のほうが重視されていました。
にもかかわらず、徹底的にストーリーが作り込まれており
かつ、当時としては洗練されたグラフィックや遊び心ある演出
自分の足で情報を取得して謎を解き明かしていく推理の醍醐味を
体感できるこのゲームは、80年代後半時点で最高峰の
エンタテイメントを体現していたタイトルだったといえるのではないでしょうか。
ちなみに、このオホーツクもポートピア同様、PC版から
ファミコン版へ移植された経緯をもっているのですが
その際に作画が大きく変更されています。PC版は少々写実的絵柄
だったのに対し、ファミコン版はより幅広いユーザー層を意識してか
漫画『べーしっ君』の作者・荒井清和に委託。
そのため、漫画チックで親しみやすい絵柄になっています。
オホーツクに消ゆ 98年PC版
軽井沢誘拐案内
堀井劇場最後の舞台は、国内有数の避暑地として名高い軽井沢。
堀井ミステリー三部作にあって、この作品だけが唯一
パソコン版からファミコン版への移植が行われていません。
その理由は単純明白。内容がエロ過ぎるためです。
「ロマンチック・ミステリー」「エロティックミステリー」などと
形容された同作は、ごくふつうの大学生とその恋人を
メインキャストに据えているためか、スケベなシーンが
頻繁にでてきます。コマンドには「キスする」「抱き寄せる」
といったものまであります。ポートピアやオホーツクでは
このような傾向はあまりなかったため、驚いたプレイヤーも多かったことでしょう。